ということで今回から撮り溜めてある写真を載せながら撮った時のことを振り返ってみたいと思います。
これは僕がこのカンポン(村落)を初めて訪れた時の写真です。ホームステイした家で朝霧の立ち込める早朝、台所から見えた風景。当時の感覚は今でもとても鮮烈に残っています。
新鮮さの中にある懐かしさ。
人工物もある事にはあるのですが、自然に支配されている空間。当然のように生活が自然の真っただ中にあり、それを五感が常に感じ取る。半端な自然ではなく、空間や生活そのものが自然に根差しているので視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚、その全てが自然を感じ取っている状態。にもかかわらず不快感が無く、その中で自分の感覚が調和している。
「あっ、これだ」って感じました。その空間に居るだけで感覚が澄み渡っていくのです。
今思えば、都会での生活では知らず知らずの内に不快な知覚情報が入り込んでいたのでしょう。それを過敏とも言いますが、7年以上このカンポンで生活した僕が言えるのは、過敏さが不利になるのも自らの置かれた環境によるということです。少なくともカンポンでの生活ではそれはギフトでした。
心身を壊して通信制大学に通い、まだ色々とボロボロの中で出会ったのがこのカンポンが行程に入った実習でした。そしてここでの数泊の生活を通して、直感的に、身体がここを望んでいると感じました。自然の中での生活、そして人々の温かさに魅了されたのです。