
クラウンナイフフィッシュ Chitala ornata / ナギナタナマズ / Clown Knife Fish / Clown Featherback / Spotted Knife Fish
クラウンナイフフィッシュは東南アジアに生息するナギナタナマズの仲間です。白銀の身体、カエルのような、アカメのような顔、特殊な尾ひれが特徴です。日本でも熱帯魚屋さんで見かけますね。
かなり大きくなるようですが、僕が見かけるのは大きくても2kgまでです。
ボルネオ東海岸の個体も大陸の個体も同じく、尻の辺りに黒点があります。ボルネオの個体は黒点が少し控えめに感じます。

この魚を見かけるのは川が深くなっていて流れの緩やかな地点です。そういった場所は投網のポイントなのですが、そういった所で投網をしていると水面に大型魚とわかる波紋が広がる時があります。また暫くすると一定間隔を置いて水面に波紋ができます。どうやら息継ぎをしているようです。
ナイフフィッシュは低酸素状態でも空気中から空気を取り込んで呼吸をすることが出来るようです。この辺りではレッド・フィンオスフロネームスグラミー等のグラミーの仲間、キノボリウオ、Channa striata等雷魚の仲間、ウォーキングキャットフィッシュ等がその特性を持っています。雨量が減れば酸素が入ってこないような森林内の流れにも入り込むので、生き残るために必要な能力なのでしょう。

さて、肝心の味。脂が乗っていて臭みやクセもなく、肉質も良く、味は見た目通り美味しいです。問題は堅くて鋭く、大量にある中骨。下処理をしっかりするか、調理法を工夫しないと食べるのも一苦労です。気をつけて食べないと口の中を怪我します。インドやベトナム、タイでは食用となっているようですが、この辺りでは需要がありません。元々狙って獲る魚でもないのですが、投網に入ったり、刺し網に引っかかって獲れます。獲れてもリリース対象です。僕もよっぽどおかずがない時以外は面倒なので食べません。また美味しい食べ方が見つかったら書いてみようと思います。