ボルネオ島、ジャングルの中にあるダガット村での生活・文化・生き物などについて書いてみます

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カザリオウチュウ / Greater Racket-tailed Drongo

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  • 和名 : カザリオウチュウ
  • 学名 : Dicrurus paradiseus
  • 英名 : Greater Racket-tailed Drongo
  • マレー: Burung Cecawi Anting-anting

森の入り口でよく会う中型(30cmほど)の鳥です。

特徴は少し青みがかった真っ黒な羽色と嘴、そして尾の先に長く飛び出た2本の飾り羽です。これがラケットのように見えるので英名はGreater Racket-tailed Drongo、和名は飾りなのでカザリオウチュウとなっているのだと思います。

マレー名のBurung Cecawiはオウチュウの仲間、Anting-antingはイヤリングの意味です。可愛いですね。

そんなこの鳥の名前にもなっている最大の特徴の飾り羽。森の中ではこれが抜けている個体だと他のオウチュウと見分けるのが難しいです。

食事は朝や夕方、森の中や脇で飛ぶ虫をフライングキャッチしているところを見かけます。丁度ほかのドロンゴやブッポウソウのような感じです。森の中でも虫を食べています。開けた所を飛んでいる時は波状に飛ぶのですが、飾り羽が上下に動いて優雅に見えます。

カザリオウチュウはちょうど、フランシス・バーネットの『秘密の花園』に出てくるヨーロッパコマドリのようなキャラクターです。

同じような性質の鳥は街の公園や村の中の開けた所に出てくるシキチョウ(Oriental Magpie Robin)が居ます。

若いシキチョウ

こっちは秘密の花園に出てくるヨーロッパコマドリと同じヒタキ科の仲間なので、全般的な性質はこちらの方が似てるかもしれませんが、少し遠慮があり弁えてる感があります。

バーネットの表現した駒鳥の自意識過剰で好奇心旺盛なところを、この森で僕がより感じるのはこのカザリオウチュウ。この子は縄張り意識が強いせいか、人が森に入ってくるとじっと監視しています。それがただ警戒しているというわけではなく、人間という存在が面白くもあるようで、鳴き声をたててみたり、優雅な飛翔を見せて自分の存在をアピールしては自分に反応する人間の動きを木の枝の上から観察しているのです。その様子が愛らしくもあり憎たらしくもある鳥なのです。

鳴き声も派手め。他の種類の鳥とも話しているかも?

以前村の裏の森を少し入ったところでいつも出てくるカザリオウチュウが暫く出て来なかったことがありました。どうしたのかなぁと思っていると、暫く経ってから小さめで飾り羽のまだ生えていない子供を連れて3羽で出てきました。それからは絶好調、何をしてるんだろうと遠くから見ている子供に何かを教えるかのように、つがいでそれぞれ僕の行動を監視し、自分たちの存在をアピール。他の鳥が来るとそっちに行ったり追い払ったりもします。色んな鳥に会いたい僕にとっては微笑ましくも鬱陶しく感じる時もある彼らでした。

カザリオウチュウの縄張り意識の強さは観察しているとよく分かります。自分と同じサイズの鳥だけでなく、マレーウオミミズクやハチクマのような猛禽やカラスを執拗に、それも楽しそうに追いかけているのも見かけます。獰猛なわけではなく自信家なのです。森の中では小回りが利きますし、パートナーとの連携も上手。

自信のある背中を見せびらかすカザリオウチュウ

そのコミュ力も自信も彼らの観察力によるものだと思います。ということはやっぱり、頭がいいんですね。

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