クワレシダ Diplazium esculentum / Vegetable Fern
マレー語 : Paku Pakis、ティドン語 : Kejau

パキスは東南アジアでよく食べられている食用シダです。多年草で生育が早く、まとまって生えてくれるので収穫が楽な、村では一番食べる頻度が高い野菜になります。
収穫は簡単で、先端の柔らかめの部分を捻るだけ。あっという間にバケツ一杯集まります。お手頃ですね。いくつかある食用シダの中でもパキスは日当たりの良い川沿いの氾濫原に密生しています。手軽にたくさん、いつでも採れるのです。

ゼンマイのようにまだ葉が開いてないもの、葉が開いてまだ若いものを収穫します。僕は葉が好きなので開いているのを収穫するのが好きですが、好みが分かれるところです。
調理は主に炒めるか茹でるかですが、生でもそのまま食べられます。サラダにしてもおいしいです。若干アクがありますが、気になるほどでもないです。
こんな手軽にとれるパキスも、町では買わなくてはなりません。量に比べるとそれなりの値段がする上に、やはり長持ちしないので採ってその日の内に調理するのが一番です。

プランテーション・ワーカーがジャングルに密猟に入り1週間遭難した後、村民に保護されるという事がありました。彼らは1週間の間ずっとパキスしか食べてなかったとか。ご飯をあげたら泣いて食べたそうです。そりゃ飽きますよね。

パキスはゾウやバンテンなど、野生動物の餌になりますが、スイロクは食べないのだとか。不思議ですね。
美味しい野菜なので、東南アジアにお越しの際はぜひ食べてみてくださいね。